2009年6月13日土曜日

渡辺えり・小泉今日子・蒼井優・村岡希美in 楽屋

ええ、私の日記に演劇が出るなんてね。6月12日(金)は三軒茶屋シアタートラムにてシス・カンパニー公演で「楽屋」〜流れ去るものはやがてなつかしき〜を見てきました。
四人の女優の白熱のアンサンブルとソロの応酬を見てきた感じです。一番前の席でした。私の前をキョンキョンが歩いていきました。小劇場の演劇もいいもんですね。
楽屋 清水邦夫作 、演出 生瀬勝久 
女優A 渡辺えり、女優B 小泉今日子、女優C 村岡希美、女優D 蒼井 優

http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/05/post_154.html
話は、屋根裏の楽屋にて。下の舞台では、チェーホフのかもめが上演される。
主演は女優C 村岡希美。女優A 渡辺えり、女優B 小泉今日子はあるのかないのか出番を待っていつ果てることもなくメイクを続ける。そこに主演女優C がもどる。突然未だ少女のような女優Dが枕を抱えて現れる。女優D(どうやら女優Cのプロンプターだった?)は、もう健康になったので、女優C にニーナの役を返してくださいと執拗にせまる。ここから四人の女優の人生をかけた葛藤が表出される。ラストは女優A、女優B、女優Dが残り、観客など無き楽屋で三人姉妹を演じる。
演劇は全く疎いのですが、この女優という特殊人類の苦悩と希望と業を四人の名人芸で表出することがテーマのようです。
なんといっても、女優A 渡辺えりの名人芸!劇中演ずるマクベス夫人、切られの仙太、かもめのトリゴリンの圧倒的なうまさ!思わずジャズクラブにいる感覚で拍手を、、(^^ゞ
古今亭志ん朝名人演ずる黄金餅の例の寺までの口上さえ思い起こしました。
それに美事にからむ女優B 小泉今日子。こんなにいい女になっていたのか。眼前にたたずむ彼女の美しさ。女優D 蒼井 優のニーナのような精神不安な少女の鬼気迫る演技。女優A 、女優B 、女優Dがそれぞれ女優として挫折して、成功を渇望しているのに対して、女優Cは主演女優です。そんな女優Cが女優Dに激しく役を返して欲しいと詰め寄られると、思わず、これまでの主役を得るまでの努力と献身と女としての人生の犠牲の日々を振り返った強烈な女優論を叫び楽屋から去ります。残された3人の挫折者は紆余曲折ありながら、最後はチェーホフの三人姉妹をいつのまのにか演じ始めます。女優A 渡辺えりの演ずる長女オリガの台詞が、どん底にあるものにも希望があるという光をしめして舞台は暗転して終幕となりました。それぞれの持ち味を生かした4 大女優の配役の妙!!

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