2019年4月3日水曜日

小島のり子(fl)&デュオwith 清水絵里子(p)@池袋P’S BAR

4月2日は、小島のり子(fl)&デュオwith 清水絵里子(p)@池袋P’S BAR を聴いてきました。


久しぶりの名手二人のデュエット再演です。
1曲目は、I Hear A Rhapsody
軽快な小島のり子(fl)のフルートでテーマを開始し、
清水絵里子(p)のバッキングも小気味よく
小島のり子(fl)のフルートソロはヒートアップしていきます。
清水絵里子(p)のピアノソロがじっくり歌い上げ、魅力的なコードワークに、右手のきらめきが印象的です。



2曲目は、小島のり子(fl)のオリジナルで、The Shade Of Wisteria/藤のかげ
芭蕉にちなんだ俳句の連歌の会での演奏にインスパイアされた曲だそうです。
ゆったりしたリズムのイントロで開始し、
小島のり子(fl)のフルートがじっくり叙情的なテーマを歌い、寂寥感さえただようソロを展開します。
清水絵里子(p)の叙情的なピアノソロ!
3曲目は、You Must Believe In Spring
清水絵里子(p)の新作CD「Doube axes」にも勿論収録されています。
清水絵里子(p)はステージで、この名曲を取り上げてくれるので、この曲を大好きな私はいつも嬉しい。
清水絵里子(p)の美しいイントロから開始し、深い呼吸のメロディーがリリカルに奏でられ、
小島のり子(fl)の美しいテーマ開始から、
しっとりと透明感溢れるサウンドで歌い上げ、冬に耐え、春を信じる歌をしなやかに奏で、次第にソロは深まり息を呑む展開となります。



清水絵里子(p)のピアノソロは、テーマを幅広い展開のフレーズで歌い上げ、
エリッチョ独特の流麗なラインを繰り広げ、ふとひっそりと歌ってみて、
思わず息を呑むと、その瞬間またピアノが高まり圧巻のダイナミックな展開のソロ!!




4曲目は、春つながりで、Spring Can Really Hang You Up The Most
小島のり子(fl)が太い音色でゆったり、めくるめくバラードを歌い上げます。
清水絵里子(p)のバッキングもひそやかなつぶやきのように弾いていきます。
清水絵里子(p)のピアノソロは粒立ちの良いピアノが囁くように歌い、しだいにブルージーな表情を見せて、美しいフレーズを繋いでいきます。
小島のり子(fl)のフルートソロでは、目を見張るアルペジオを展開し、思わず唸ってしまう練達のソロ!!
5曲目は、Without A Song
小島のり子(fl)がいきなりリズミカルにテーマを開始し、ストレートなハードバップ的展開のカッコイイソロを繰り出します。
清水絵里子(p)のグルービーなバッキング!!
清水絵里子(p)のピアノソロもカッコイイフレーズをこれでもかと繰り出す美事さ!!

2セット
1曲目は、I'll remember april
清水絵里子(p)がステージに上がってピアノに向かっていきなり、印象派風のサウンドを奏で、それがおなじみのテーマに美事に移行し
小島のり子(fl)のフルートが熱くテーマをフルートで展開し、
ストレートなジャズそのものといった感のあるフレーズを繰り広げます。
バックの清水絵里子(p)との互いに触発し合う絡みが聴きものです。


清水絵里子(p)のピアノソロでは、これぞエリッチョのバップ解釈という感じで鍵盤を縦横無尽にフレーズが駆け抜ける凄絶なソロ!!
四小節交換では、小島のり子(fl)と清水絵里子(p)の激しく反応しあう火を噴くようなソロの応酬!!
2曲目は、Tenderly
小島のり子(fl)のフルートが柔らかい音色でバラードをじっくり歌い上げ、息づまる美しさのソロをフルトーンで奏でます。
清水絵里子(p)のピアノソロは、魂を震わせるようにじっくりとソウルフルに歌い上げます。
3曲目は、Parisian Thoroughfare
この曲も清水絵里子(p)の新作CD「Doube axes」にも勿論収録されています。
バド・パウエルの凄絶な演奏で知られるビバップナンバーです。
小島のり子(fl)がこの難曲をいきなりフルートでアップテンポで開始し、
ここから手に汗握るダイナミックなビバップソロを驚くべき超絶ソロで繰り広げていきます。
清水絵里子(p)のピアノソロは意表を突く音使いで開始し、美しいフレーズを奏でると、そこから超速のビバップソロを繰り広げ鍵盤上を自由自在に駆け巡る圧巻のソロ!!
清水絵里子(p)のビバップ解釈の粋を見せつけられました。
四小節交換では、小島のり子(fl)と清水絵里子(p)の丁々発止の意表を突くフレーズの応酬!!


4曲目は、アントニオ・カルロス・ジョビンのCaminhos Cruzados
清水絵里子(p)の可憐なイントロで開始し、
小島のり子(fl)のフルートが美しいテーマを歌い上げ、ゆるゆるとたゆたうようなソロを聴かせます。
清水絵里子(p)のピアノソロは、透明感あふれる音色で叙情的なソロをしっくり弾いていきます。


当夜のラストナンバーは、In Walked Bud
小島のり子(fl)のフルートがモンクナンバーを鮮やかに歌い上げ、
次第に呼吸が深まり、フルートが飛翔し跳躍していきます!!
清水絵里子(p)のピアノソロが、グルーブ感溢れる展開で、リズミカルにリフが繰り返され、そこから予想外の音域に展開し、カッコイイフレーズが次々に繰り出してくる圧倒的なソロ!
素晴らしいモンク解釈に目を見張りました。
四小節交換では、これまた息を呑む展開の熱いフレーズの応酬を繰り広げ、怒濤のエンディングを迎えました。


あっというまの2ステージでしたが、小島のり子(fl)と清水絵里子(p)の洗練の極致の息を呑む美しさと
フルートとピアノのデュエットとは到底思えない、熱く時にパワフルな素晴らしい演奏に圧倒された一夜となりました。

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