2019年4月12日金曜日

守谷美由貴(as)ベースレストリオwith 永武幹子(p)、今泉総之輔(ds)

4月11日は、守谷美由貴(as)ベースレストリオwith 永武幹子(p)、今泉総之輔(ds)を聴いてきました。

このユニットも回を重ねるごとに、深化し、ますますエキサイティングな演奏で驚かされます。
考えてみたらアルトのベースレストリオを新宿ピットインで聴くのは、山下洋輔トリオ以外であまりなかった。

本日のセットリスト
1. ミナのセカンドテーマ(山下洋輔)

2. 用心棒(佐藤勝)

3. むかしむかし(守谷 美由貴)

4. Tuck Box(守谷美由貴)
2セット
1. Second County(本田竹広)

2. M's Dilemma(守谷美由貴)

3. Everyday is a New Day(守谷美由貴)

4. キアズマ(山下洋輔)
アンコール Remember(Irving Berlin)




いきなり、1曲目は、ミナのセカンドテーマ(山下洋輔)で、守谷美由貴(as)のゆったりしたソプラノサックスのオープニングで開始し、
永武幹子(p)のピアノは深い響きを積み重ねるようなバッキング!
今泉総之輔(ds)のゆったりした大きなウエーブの繰り返しのようなドラミング!!
守谷美由貴(as)がしっとり深い音色でテーマを歌い、しだいにフレーズは激しく展開し驚速の音流がソプラノからほとばしります。
これに反応する永武幹子(p)の強烈なタッチで鍵盤上を目まぐるしく駆け抜けるピアノが凄い!
今泉総之輔(ds)のドラムが強力に,パルシブなパワーをバンドに送り込みます!!
三者全開のインタープレイ!!
永武幹子(p)のシンプルで小さなメロディーを奏でるピアノソロは、左手でキープするビターな味のメロディの繰り替えしにのって、
右手が美しい音色で跳躍し、強靱で熱をおびた怒濤のピアノサウンドを展開!!
今泉総之輔(ds)の小気味よいスネアの音色に空間を切り裂くシンバル!!
パワフルに叩き出す激しくパルシブなビート!!
そのまま、曲はテーマに戻り、ふっと、どこかなつかしい印象のリフのパターンをピアノとドラムが繰り出し、
守谷美由貴(as)のソプラノサックスが、用心棒のテーマを軽やかに吹いていきます。
ソプラノサックスが、リフパターンを引用しつつリズミカルにフレーズを展開し、次第に高速化し空間を飛翔し跳躍する圧巻のソロを繰り出します。
永武幹子(p)のピアノも太い音色でアーシーなパターンを繰り返しながら、あっという間に、その両手は鍵盤上を縦横無尽に駆け巡り目の覚めるようなフレーズを次々に繰り出します!!
3曲目は、守谷美由貴(as)のオリジナルのむかしむかし
永武幹子(p)の美しいピアノの印象的な響きのイントロから
守谷美由貴(as)のアルトが太く美しい音色でテーマをもの悲しいような表現で奏でます。
今泉総之輔(ds)のシンバルワークが美しく響きます。
守谷美由貴(as)のアルトはゆったりと深い呼吸で歌い、美しい旋律を綴り、しだいにスケール感の大きなソロ展開を繰り出します!美的完成度の高いアルトソロ!!
永武幹子(p)のピアノが遠くを夢見るようなメロディーが美しいタッチで奏でられます。
4曲目は、守谷美由貴(as)のアルバムCAT’S CRADLEから Tuck Box(守谷美由貴)
守谷美由貴(as)のアルトの疾走するテーマ演奏から、クールに決まるフレーズを次々に決めていくソロ!!
永武幹子(p)のピアノはテーマのリフレインから、しだいに熱く展開し、目を見張るような素晴らしい右手のフレーズ展開は、さらに両手が鍵盤上をダンサーのように飛翔し、スリリングな展開のソロを見せつけます。
永武幹子(p)のフルトーンで鳴りわたるピアノに美事に反応する今泉総之輔(ds)のドラミング!!
今泉総之輔(ds)の乾いた音色でのスネアの強靱な打撃!!切れ味鋭いドラミングが巨大なリズムのうねりを作り出していき怒濤のクライマックスを迎えます。



2セット目は、
Second County  本田竹広(p)作品
永武幹子(p)のピアノの大地を歩くかのようなダークな印象の左手のイントロで開始し、
守谷美由貴(as)の柔和で抜けのいい音色のソプラノサックスが、テーマを美しく歌い、じわじわと美しい旋律を築きあげていくかのように次々にフレーズを繰り出して行き、それはついには激しいサウンドの奔流のようにほとばしっていきます。
今泉総之輔(ds)の大きなうねりのよう表情豊かなドラミングが音楽を支えていきます。
怒濤の勢いのドラムと強靱なサウンドのソプラノサックスのからみに思わずうなります!!
永武幹子(p)のピアノから生み出されるドラマチックな旋律線の美しさ!
なつかしい雰囲気のフレーズがこれでもかと繰り出される激流のような展開のソロ!!圧巻の美をたたえる極上のピアニズム!!
2曲目は、守谷美由貴(as)のオリジナルで  M's Dilemma
永武幹子(p)と共演してインスパイアされて作曲したそうです。
永武幹子(p)のハードでリズミカルなテーマの開始、
守谷美由貴(as)のアルトがアブストラクトで幾何学的なテーマラインをストレートなアルトの音色で奏で、そのまま目を見張るテクニカルな展開のソロを繰り広げていきます。
永武幹子(p)の美事に早いパッセージが繰り広げられるソロ展開は息詰まる緊張感で高揚していきます。
今泉総之輔(ds)のドラムソロは巨大なパワーの波が寄せては返すかのように繰り広げられ、
すさまじい勢いのスネアショットに、はじけるシンバルが会場の空間を埋め尽くしていきます。
3曲目は、守谷美由貴(as)のオリジナルで Everyday is a New Day(守谷美由貴)
永武幹子(p)のゆったり歌うピアノのイントロから、
守谷美由貴(as)のじっくりしっとり歌うアルトが、美しいテーマを奏でます。
ここからストレートに突き進むアルトソロの息を呑むような圧倒的な展開!!
深い呼吸のソウルフルな歌で絶唱します。

永武幹子(p)のピアノがテーマのリフから美しい旋律で跳躍し、どこまでも飛んでいってしまうかのような呼吸の深いスケール感豊かな圧巻のソロ!!
4曲目は、キアズマ(山下洋輔)
今泉総之輔(ds)の強烈なパルスに反応し、
守谷美由貴(as)のアルトがテーマを開始し、そこから縦横無尽に繰り広げられる超速のパッセージの激烈なアルトソロが会場を切り裂いていきます!!
永武幹子(p)のはじけるピアノが怒濤の勢いでピアノをフルトーンで鳴らし、両手の超速の跳躍は何処までも続いていくかのように、聴くものにすさまじい熱量を送ります!!
今泉総之輔(ds)のドラムは、強力なスネアショットに光速で空間を切り裂くシンバルに、激しい心臓の鼓動のようなバスドラがフルパワーで疾走し奔流のようにバンドにビートを送り込みます。
三者全開のまま怒濤のクライマックスになだれこみました!!
聴衆の歓呼の声に応えて、アンコールは、
Remember(Irving Berlin)
守谷美由貴(as)のしっとり美しい音色のアルトが流麗に歌い上げます。
永武幹子(p)のシンプルで美しいラインのピアノソロが息を呑むほど美しく響きます。
今泉総之輔(ds)の繊細なブラッシュワークの美事さ!!

あっという間の2ステージでしたが、守谷美由貴(as)、永武幹子(p)、今泉総之輔(ds)と現在シーンで引っ張りだこの三人がそれぞれの個性の発展をまた見せつけてくれるライブとなりました。
守谷美由貴(as)のオリジナルあり、山下洋輔(p)トリオの名作あり、本田竹広(p)の名作ありとバラエティー豊かな構成で、強力ユニットの魅力を堪能し尽くしました。

このユニットの次回のライブは、6月11日(火)だそうです。

その前に、5月4日新宿ピットインで
本田珠也(Ds)守谷美由貴(Sax)須川崇志(B)+永武幹子(P)山田丈造(Tp)
という絶対的に息のあったユニットの楽しみなライブが予定されています!!

0 件のコメント:

コメントを投稿