2010年1月22日金曜日

ダムと日本

岩波新書 
天野礼子著「ダムと日本」読了。
9年前の本なのでいまさら恥ずかしいけれど、勉強になりました。
ダム問題考えるには、まずこの本に目を通すのがいいのかも。
ここで著者の天野さんが、ダム問題の運動をする過程でかかわる議員の印象が興味深い。
立場は違えど柔軟な人として、鳩山、菅、亀井、小沢一郎諸氏が。現政権は歴史の必然か。

年末には、デイビッド・ハルバースタムの「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」を読了。
さすが、ニュージャーナリズムの最高峰デイビッド・ハルバースタムの遺作。
素晴らしい著作でした。
朝鮮戦争のマッカーサーの大きな過ちを最前線の米国海兵隊兵士の視点から、マッカーサーに反論する米国国務省高官の視点から、中国軍からの視点から、北朝鮮軍から、そしてスターリンの視点から、曝いていきます。
この過ちから、東西冷戦構造の固定化、ベトナム戦争へと落ちていく米国を俯瞰していきます。それは、日米安全保障条約の意味、さらには、今課題となっている海兵隊の駐留問題にも繋がることが明白になります。
デイビッド・ハルバースタムが事故死したのは、まだ、オバマ大統領など夢にも思いつかない暗黒のブッシュ時代。このハードカバー2冊に渡る大作のなかで、たった1ページに、
3つのアメリカ国務省の政治判断(情報伝達だったかな)にふれています。
朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラン・イラク戦争。
この過ちが朝鮮動乱時代から続く米国の政治的失敗だとさらっと書いています。
この視点から、オバマ大統領の現在の外交戦略をみると、デイビッド・ハルバースタムの意志が多少なりとも受け継がれているのではないのかと思ってしまう。これからは国際関係を考えるなら「ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争」は必読の書となることでしょう。この本には未来を開ける鍵が隠されています。

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