2019年1月26日土曜日

吉野弘志(b)、守谷美由貴(as)、林頼我(ds)@西荻窪アケタの店

1月25日は、吉野弘志(b)、守谷美由貴(as)、林頼我(ds)@西荻窪アケタの店を聴いてきました。



今回初めて聴く林頼我(ds)は、多分、まだ十代の話題の実力派ドラマーです。
1曲目は、モンゴル民謡 「牧歌」
吉野弘志(b)のアルコのイントロが静謐なメロディーを奏でます。
守谷美由貴(as)のアルトが美しいメロディーを紡ぎ、ソロは次第に深まり高まっていきます。
吉野弘志(b)の美しい音色のベースソロが、深く沈潜するかのように響き、それは草原に吹く強風のように次第に高まります。



林頼我(ds)のドラムが美事なアクセントをつけていきます。

2曲目は、インプロビゼーション
林頼我(ds)のスネアとシンバルが印象的なパルシブなドラムソロで曲が始まり、
吉野弘志(b)の太いベースがラインを刻み、
守谷美由貴(as)のアルトが自在なラインを紡ぎ出します。


ベースとドラムが強力なビートを叩き出し、
守谷美由貴(as)のアルトが息の長いフレーズを次々と繰り出します。激しいブローイングが圧倒的に聴かせます!
林頼我(ds)の目も覚めるような鮮やかなドラムソロ!




3曲目は、セロニアス・モンク作曲 パノニカ
守谷美由貴(as)のアルトがゆったりと渋い音色で歌い上げます。
吉野弘志(b)の硬質で美しい音色のメロディアスなソロ!!
林頼我(ds)の毅然とした印象のドラムソロ!
守谷美由貴(as)の太い音色でじっくり聴かせるフレーズを紡ぎ出すアルトソロ!!



4曲目はエリス・レジーナ作曲 ロマリア
吉野弘志(b)の和声的な展開のベースのイントロで曲は始まり、
守谷美由貴(as)のアルトが美しい旋律線のソロを繰り広げます。
吉野弘志(b)の聴き惚れるような美しいベースソロ!!
林頼我(ds)の光り輝くシンバルの響きが空中に浮遊していきます!




5曲目は、オーネット・コールマン作曲 ラウンド・トリップ
3者がスピード感溢れるテーマを開示し、
守谷美由貴(as)のアルトが鋭いラインを繰り出し飛翔していきます!!
魅力的なソロフレーズが聴かせます!!
林頼我(ds)のパワフルでスピード感溢れるドラムソロに圧倒されます!
吉野弘志(b)の重いサウンドのベースがアブストラクトなラインを繰り広げます。


守谷美由貴(as)のアルトの超速でエネルギー感溢れる縦横無尽なソロ!!


2セット
1曲目は、ダラー・ブランド作曲 マンデラ
アフロリズムのビートに乗って、守谷美由貴(as)のアルトがリズミカルに爽快なラインを繰り広げていきます。
吉野弘志(b)のベースソロがつぎつぎに魅力的なフレーズを繰り出して行きます。
林頼我(ds)の強いビートの効いたドラムソロ!!
ぴんと張ったスネアの乾いた音色と突き刺さるシンバル!!
吉野弘志(b)のベースとのインタープレイが美事でした!!


2曲目は、タッド・ダメロン作曲  ホットハウス
吉野弘志(b)の重く力強いタッチのベースソロから曲は開始し、
おなじみのリフで林頼我(ds)と守谷美由貴(as)が軽やかに入ってきます。
守谷美由貴(as)がほとばしるラインのアルトソロ!!目まぐるしく飛翔し跳躍するラインに圧倒されます。
吉野弘志(b)のベースソロが激しく上下動して息を呑む展開!!


林頼我(ds)の鋭く軽快で鮮やかなブラシのソロ!!


守谷美由貴(as)の息を呑む超速のフレーズ展開から、圧倒的なエンディング!!

3曲目は、スタンダードで Just a Gigolo
守谷美由貴(as)のゆったりしたテンポのアルトがテーマを奏でます。
すぐに吉野弘志(b)の深い音色のたゆたうようなソロが繰り広げます。
守谷美由貴(as)のアルトがじっくりしっとり歌い上げます。



4曲目は、オーネット・コールマン作曲 Congenialty
守谷美由貴(as)の強靱なアルトでテーマは開始し、息を呑むフレーズを繰り出し、超速のアルトが疾走していきます、
吉野弘志(b)の唸るアルコソロ!!
林頼我(ds)の息を呑むパルシブなドラムソロ!!

聴衆の歓呼の声に応えて、アンコール は
吉野弘志(b)作曲の NBABA
吉野弘志(b)のベースのビートの効いたイントロ!
守谷美由貴(as)のアルトがしなやかに上下動する美しいラインを紡ぎ出します。
林頼我(ds)のパワフルなドラムに煽られて圧巻のエンディング!!

あっという間の2ステージでしたが、吉野弘志(b)の美しいベースに、守谷美由貴(as)の圧巻のアルトプレイ、林頼我(ds)の凄絶なドラムを満喫した一夜となりました。


2019年1月23日水曜日

竹内直(ts) TUESDAY NIGHT ORCHESTRA @新宿サムデイ

1月22日は、竹内 直 TUESDAY NIGHT ORCHESTRA @新宿サムデイを聴いてきました。

メンバーは、
赤塚謙一 tp、山田丈造tp、忍田耕一 tb、
中山拓海 as、竹内 直 ts、田中邦和 bs、
魚返明未 p、大塚義将 b、吉岡大輔 ds


1曲目は、Horace Silverの作曲で THE JODY GRIND

魚返明未(p)のファンクな感じのピアノソロから始まり、厚いアンサンブルが軽快に曲を奏でます。



竹内直(ts)のソロも軽快なリズムで開始し、徐々に息の長い熱いフレーズを繰り広げていきます。
山田丈造(tp)のソロはハードバップらしい、かっこいいフレーズをどんどん決めていきます!

2曲目は、John Lewisの作曲で、 TWO BASS HIT

軽快なテンポのアレンジで始まり、中山拓海(as)のアルトは、高速リフを繰り広げ、変転して息の長いフレーズで聴かせます!

田中邦和(bs)のバリトンソロがハードボイルドタッチでカッコイイフレーズを繰り広げます。

吉岡大輔(ds)のドラムが、いかにもビックバンドのドラミングでよく歌います。
ブレークが入ってカッコイイエンディングへ!!



3曲目は、BENNY GOLSON 作曲の A LONG COME BETTY

吉岡大輔(ds)の軽妙なブラッシングで曲は開始し、アンサンブルがゴルソンの曲らしいカッコイイハーモニーを聴かせます。
赤塚謙一(tp)の明るい温色で歯切れの良いブルージーなソロ!!

忍田耕一(tb)のめざましいラインで歌いまくるソロ!!



魚返明未(p)のピアノがころころ転がるシングルトーンで、美しいソロを繰り広げ、それは息を呑むほど高まり、徐々に沈潜していき、ひっそりと静かにエンディングを迎えます。

4曲目はClifford Jordan の作曲で VIENNA

トランペットがテーマを斉唱し、サックスが絡むように加わり、リズムセクションが寄りそい、
金管群と、サック群が対比したアンサンブルで叙情的なテーマを繰り広げていきます。

魚返明未(p)のピアノが、右手の輝かしいきらめきを見せるサウンドの美しいソロを繰り広げます。
ピアノのきらきら輝くサウンドが場内に広がります!!

田中邦和(bs)のバリトンが、息の長いフレーズで、じっくり、しっとりした歌を聴かせます。
赤塚謙一(tp)のトランペットのリフが決まります。

赤塚謙一(tp)のアクセントが素晴らしい!!


アンサンブルは、叙情的なテーマに戻り、
竹内直(ts)のソロがゆったり開始され、次第にヒートアップして、高音の泣き叫ぶような激しいソロへと燃え上がります。

吉岡大輔(ds)のドラムがあおりに煽ります。

5曲目は、アントニオ・カルロス・ジョビン作曲の ZINGARO

竹内直(ts)のテナーがそっとテーマを提示して、リズムセクションがボサノバリズムで寄りそい、忍田耕一(tb)のトロンボーンがテーマをソフトに歌い、アンサンブルが柔らかいコーラスを開始していきます。

竹内直(ts)のテナーが原曲のイメージを活かして、独特のラインで美しいフレーズを繰り広げていきます。

大塚義将 (b)の美しい音色のベースソロが美事に聴かせます。



ラージアンサンブルでの美しいハーモニーのボサノバの気持良い響きに包まれます。
トロンボーンとテナーによる美しいテーマが泣かせます。
アンサンブルは徐々に厚く展開し、バンドは全開で鳴り響き圧巻のエンディングへ突入しました。

6曲目は、デューク・エリントンの ROCKIN’ IN RHYTHM

竹内直(ts)のクラリネットが軽快なリズムで曲を開始し、アンサンブルがエリントンらしいカラフルなサウンドでテーマを開始します。

ジャングルリズムの吉岡大輔(ds)のドラミングにのった竹内直(ts)のクラリネットソロ!!



田中邦和(bs)の飛び跳ねるようなフレーズのスインギーなフレーズのバリトンソロ!!

中山拓海(as)もアルトがじっくり歌い上げていきま、フレーズはリズミカルに展開し、次第に熱をおび圧巻のフォルテッシモ!!

ハイノートを決めるトランペットのアンサンブルが決まります。
そして、全員一丸となったゴージャスなサウンドのエンディング!!

2セット目は
1曲目は、マッコイ・タイナー作曲の PERESINA

ちょっとアップテンポに曲は開始し、
魚返明未(p)の目も覚めるような鮮やかなピアノソロ!!



吉岡大輔(ds)のびしばし決まるスネアのアクセントがカッコイイ!!

重厚なアンサンブルがテーマを繰り広げます。分厚いハーモニーが印象的!!
吉岡大輔(ds)を中心にリズムセクションが次第に白熱化していきます。

忍田耕一(tb)のトロンボーンがビターなラインで歌いまくります!
竹内直(ts)のテナーソロが縦横無尽に広がり、テナーが歌い叫んで、次第に燃え上がっていきます。



吉岡大輔(ds)のドラムのビートが厚くプッシュし続けます。
アンサンブルの分厚いハーモニーに乗って、吉岡大輔(ds)のスピード感溢れ、乾いた音色でびしびし決まる豪快なドラムソロ!!

2曲目は アントニオ・カルロス・ジョビン作曲の イパネマの娘

管楽器の斉唱から始まり、そこリズムセクションが入ってきます。

赤塚謙一(tp)のホルンの美しい音色が印象的です。



忍田耕一(tb)と竹内直(ts)がテーマを美しく奏でます。
山田丈造(tp)のトランペットソロがリリカルなラインを深い呼吸でしっとりと歌い上げます。

忍田耕一(tb)が明るい音色でじっくり歌い上げます。
このアンサンブルで聴くボサノバのハーモニーの心地よさ!!

3曲目は、ホレスシルバー作曲の NICA’S DREAM

竹内直(ts)がエチオピアテイストでと語ってから、曲は開始します。
アーシーな感じでリズムセクションが曲を開始し、
アンサンブルがエスニックな感じ(エチオピアテイスト?)のハーモニーで入っていき、
トランペットがテーマを斉唱します。

ここで、赤塚謙一(tp)のトランペットがメロウな音色で魅力的なフレーズを繰り出し、鋭いハイノートもまじえて次第にヒートアップしていく圧巻のソロ!!

中山拓海(as)のアルトソロが淀みなく流麗なラインのフレーズを繰り出し、そこから予想外の展開にすすみ、縦横無尽なソロは、アルトが歌い叫ぶエモーショナルな圧巻のソロ!!



吉岡大輔(ds)の小気味よい目も覚めるようなドラムソロ!!
厚いアンサンブルもヒートアップしていき、
大塚義将 (b)の重く硬質なサウンドのめざましいベースソロが聴かせます。

4曲目は CHARLE MINGUS 作曲の BETTER GIT IN YOUR SOUL

田中邦和(bs)のバリトンがまず熱い曲の冒頭のリフを繰り広げ、
アンサンブルがミンガスサウンドの分厚いテーマを繰り広げます。


大塚義将 (b)のベースが強く弦を弾いて、太く力強い音色でソロを開始します。圧倒的な指さばきの圧巻のソロ!!



田中邦和(bs)のバリトンの厚いラインにバンドは燃え上がります!!
すさまじいアンサンブルから、手拍子に乗って、竹内直(ts)のソロが燃え上がっていき、テナーが泣き、叫び、歌いまくる圧巻のソロ!!



吉岡大輔(ds)のドラムがバンドを煽る煽る!!
最後はバンド全体がすさまじい盛り上がりの圧巻のエンディング!!

5曲目は、バラードの I’VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE

美しいハーモニーでアンサンブルはテーマを開示し、
山田丈造(tp)のトランペットが輝かしい音色でソフトに美しい旋律を紡ぎ出していきます。
竹内直(ts)のクラリネットと赤塚謙一(tp)のホルンが優しく絡みます。
山田丈造(tp)のソロは絶唱し、圧巻のカデンツアを奏でます。



6曲目は、 IT DON’T MEAN A THING (IF IT AIN’T GOT THAT SWING)

魚返明未(p)のピアノが、良く転がるシングルトーンの美しいソロ!!輝かしくきらめく音色の美しいソロは次第にダイナミックに展開します。



吉岡大輔(ds)の巧みなブラッシュワーク!!
アンサンブルが全開でスイングして楽しいテーマを展開していきます。

中山拓海(as)のアルトソロがフレーズをめざましく繰り出し、ここでも予想外の展開に突入し、飛翔していき、緩急自在のソロを決めます!!

吉岡大輔(ds)のドラムが煽る煽る!!
竹内直(ts)のテナーが太い音色でソロを開始し、吉岡大輔(ds)のドラムとのインタープレイになります。
両者のプレイに手に汗握る展開となり、竹内直(ts)が次第に白熱化していき、燃え上がります!!

アンサンブルはフルトーンでテーマを咆吼してエンディング!!
聴衆の熱い歓呼の声に応えて、
アンコールは、黒人霊歌
JUST A CLOSE WALK WITH THEE

汝のおそばを歩ませてくださいといった詩です。

忍田耕一(tb)のプランジャーを効かせたトロンボーンが歌います。

山田丈造(tp)の渋い音色の熱いトランペットソロ!
トロンボーンとトランペットが熱く絡んでいきます。
ここで、テンポアップしてアンサンブルは、ディキシーランドジャズのようなサウンドで燃え上がって曲は圧巻のエンディングを迎えました。
あっという間の2ステージでしたが、名曲満載で、素晴らしいメンバーの目の覚めるようなソロと楽しく熱いアンサンブルを満喫した一夜となりました。
素晴らしいオーケストラサウンドでした!!

2019年1月20日日曜日

高橋徹(ds)4 奥村晶(tp)、佐津閒純(g)、伊地知大輔(b)@渋谷KOKO

1月18日は渋谷KOKOで、高橋徹(ds)4 奥村晶(tp)、佐津閒純(g)、伊地知大輔(b)を聴いてきました。


奥村晶(tp)の演奏は、守屋純子オーケストラや三木俊雄とフロントページオーケストラなどなど、多くのビッグバンドで随分長い間聴き続けていますが、今夜のような至近距離で聴くのは初めてです。
1曲めはBlue Mitchellの作品です。
奥村晶(tp)の輝かしい音色のトランペットのサウンドでテーマが開始され、美しいソロが奏でられます。


佐津閒純(g)の暖かいサウンドのギターソロ!次々と魅力的なフレーズが繰り出されます。
2曲目は ベニー・ゴルソンの作曲で WHISPER NOT


高橋徹(ds)のこれぞハードバップと言うドラミングで始まり、かっこいいテーマを奥村晶(tp)トランペットと佐津閒純(g)のギターがまるでゴルソンハーモニーのように奏でます。
佐津閒純(g)のギターソロが美しいラインを豊かに流れさせます!
奥村晶(tp)の確信に満ちたハードバップ解釈で美しいフレーズ連発のトランペットソロ!
伊地知大輔(b)のベースが太い音色で、よく歌うソロを繰り広げます。

3曲目が、名ギタリストのケニー・バレル作曲で、 DO WHAT YOU GOTTA DO


佐津閒純(g)のギターソロから曲は開始し、これまたかっこいいリフが繰り返され、はじけるようなにフレーズが広がっていきます。
伊地知大輔(b)の美しい音色のベースソロが決まります!


奥村晶(tp)のトランペットが渋い音色でスムーズでグルーヴィーなラインを繰り広げます!
佐津閒純(g)のギターが、これぞハードバップというシングルトーンの美事なラインのフレーズを繰り広げます!
高橋徹(ds)の小気味よくセンスの良いドラムソロ!めくるめく展開を締めくくります。



4曲目は、バラードでマイ・ファニー・ヴァレンタイン
佐津閒純(g)のギターの美しいイントロから始まり、奥村晶(tp)のトランペットが美しい歌を見事に深い情感で歌いあげます。
ギターのコードワークの伴奏もこれまた美しい!
佐津閒純(g)の美しい旋律を紡ぎ出すギターソロが圧巻です!!
奥村晶(tp)のトランペットの息を呑むほど美しいカデンツアでエンディングです。

5曲目は、チャールズロイド作曲の Forest Flower

この曲は、トランペットでやったことないと奥村晶(tp)が語ります。
高橋徹(ds)のグルーブの効いたドラムのリズムに乗って、奥村晶(tp)のトランペットがお馴染みのテーマを奏でます。
佐津閒純(g)の流麗なシングルトーンが決まるギターソロ!!
奥村晶(tp)のメローなラインが美しいクールなトランペットソロ!!
高橋徹(ds)のメロディーが浮かぶような小気味よいドラムソロ!!

第二セット
1曲目は、ビル・エバンスの演奏で有名な I’LL NEVER SMILE AGAIN
高橋徹(ds)の美しいシンバルレガートから始まり、奥村晶(tp)のトランペットがテーマを格好良く奏でます。
佐津閒純(g)の見事にグルーブするソロが繰り広げられます。
奥村晶(tp)のトランペットが懐の深い呼吸で美しい旋律を醸し出していきます。
高橋徹(ds)のはじけるように、軽やかに決めていくドラムソロ!!
2曲目はケニー・ドーハム作曲の UNA MAS
奥村晶(tp)のトランペットが輝かしい音色で、懐かしいイントロから始まりテーマを吹いていきます。
奥村晶(tp)のハードバップ解釈を美事に表出するかのようなフレーズが繰り広げられます。流麗な旋律線に時に強いアタックを取り混ぜた大きな展開のフレージングが美事です!!
3曲目は、Duke Ellington作曲 の In A Mellow Tone
佐津閒純(g)のギターがグルーブ感溢れるかっこいいフレーズを連発して、目の覚めるようなコードワークも素晴らしい!!
奥村晶(tp)の美しい音色のトランペットソロがゆっくりゆったりとちょっとアーシーな雰囲気で歌います。
伊地知大輔(b)の豊かな音色のウォーキングベースから軽やかなフレーズを展開する美事なベースソロ!!


ここでの4小節後交換もお互いの決め技連発で見事に決めていきます。
4曲目は、カーラ・ブレイ作曲の Sing Me Softly of The Blues
この曲は、スタンダード化されていくようで、最近あちこちでよく聴きます。
佐津閒純(g)のギターがスローテンポで開始します。
奥村晶(tp)のトランペットがストレートにテーマを吹奏します。曲世界に沈潜するかのような深い音色でクールなソロを繰り広げていきます。


伊地知大輔(b)のベースがスワローを想起させるかのようなファンクな音色で、しっとりとしたソロで歌いあげます。
ラストの5曲目は、名ギタリストのケニー・バレル作曲で HERE COMES C.T.


高橋徹(ds)のスネアのアクセントが決まったイントロから始まり、佐津閒純(g)のギターが渋い音色でテーマを開示し、奥村晶(tp)のトランペットが小気味よいラインのソロを繰り広げます。切れの良いフレーズが次々に繰り広げていきます。

伊地知大輔(b)の切れ味鋭いベースソロ!!
お互いに触発し合うインスピレーションあふれる佐津閒純(g)と奥村晶(tp)の四小節交換が聴かせます!!


奥村晶(tp)のトランペットと佐津閒純(g)のギターの絡みの素晴らしさを実感しました。
高橋徹(ds)のビシビシきまるシンバルとスネアショット!!メロディアスなドラムソロが圧巻です。

聴衆のやんやの声に応えて、アンコールは奥村からの提案で、Now's The Time!

奥村晶(tp)のトランペットが格好良くテーマを決めて、そのままビバップソロ!流麗なラインに強いアタックトとアクセントが決まります!
佐津閒純(g)のギターも流れるようなシングルトーンが溢れ出る美しいフレーズ!!
伊地知大輔(b)のベースのアルコソロがこれまた実にリズミカルなラインを紡ぎ出してかっこよくソロ決めます。
バックでの高橋徹(ds)のシンバルレガートも聴きものです。そして、強いビートと明確なアクセントの効いたドラムソロで圧巻のエンディング!!
あっという間の2ステージでしたが、名曲揃いのステージで、高橋徹(ds)4 奥村晶(tp)、佐津閒純(g)、伊地知大輔(b)の四者の個性溢れる楽しいライブを満喫しました。


2019年1月19日土曜日

J.J.Soul @新宿Pit inn 永武幹子(p)、石川隆一(b)、吉良創太(ds)

1月18日新宿ピットイン 昼の部でJ.J.Soul @新宿Pit inn 永武幹子(p)、石川隆一(b)、吉良創太(ds)を聴いてきました。


1曲目は カーラ・ブレイ作曲の Sing Me Softly of The Blues
永武幹子(p)が静かにピアノ弾きはじめ、和音を積み重ねた美しいソロから開始します。
そこに石川隆一(b)のベースと吉良創太(ds)のドラムがゆったり入ってきます。
ここからミドルテンポのフォービートが進み、石川隆一(b)のベースが太く強い音で歩みます。
吉良創太(ds)のドラムがブラシとシンバルで確実なリズムを刻みます。
永武幹子(p)のピアノと石川隆一(b)のベースがリフを重ね、美しい音世界をくり広げていきます。
永武幹子(p)のピアノは美事に軽快な指さばきで美しい世界を広げていきます。
吉良創太(ds)のドラムが鋭いアクセントをつけ、石川隆一(b)の美しいベースが展開し、若々しさ全開で三者のトリオ演奏が白熱していきます。
永武幹子(p)のピアノと石川隆一(b)のベースの見事なインタープレー!!
そして永武幹子(p)のピアノは目まぐるしく美しいフレーズを繰り広げ、緩急自在なソロを繰り広げます。
そして最後にシンプルなテーマに回帰して圧倒的なエンディング!!
2曲目は、デューク・エリントン作曲の Very Special
吉良創太(ds)のドラムのブラシの軽快なイントロから始まり、小気味よくスイングするブラッシング!!
永武幹子(p)のピアノと石川隆一(b)のベースがかっこよく曲に入って行き、石川隆一(b)の重く太い音色のウォーキングベースから、見事なベースソロが展開していきます。
吉良創太(ds)のブラシのリズムが格好良く、ビシビシ決まります。
永武幹子(p)のピアノが繰り返されるリフからはずむようなラインを繰り広げて、圧倒的なグループ感で!!
デューク・エリントンのピアノスタイルを現代版にしたような強いタッチでスケールの大きな音楽を繰り広げていきます。
3曲目は、ジェローム・カーン作品 タイトルは忘れました。
永武幹子(p)のピアノが左手からそっと曲を開始し、深い呼吸で美しい旋律線を繰り広げます。
そっと寄り添う石川隆一(b)のベースと吉良創太(ds)のドラムが聴かせます。
永武幹子(p)のピアノはしっとりと美しく歌い上げて行きます。
ピアノから醸し出す響きを聴きながら、その響きを聞いて次のサウンドを紬だし空間にこだまさせるような展開の音楽。
一瞬のストップから魅力的な石川隆一(b)のベースソロが見事に展開していきます。
永武幹子(p)のピアノの叙情的で静謐なソロに目を見張ります。



4曲目は永武幹子(p)のオリジナル作品で曲名未定。
1月3日に現在ベトナム在住のご存知・名ボーカリストの酒井俊(vo)と国際電話をしてインスパイアされて創作した作品だそうです。
吉良創太(ds)のブラシがリズミカルに曲を開始して、永武幹子(p)のピアノもリズミックなフィギアを繰り返していきます。
吉良創太(ds)の目覚ましいドラムソロ!!
永武幹子(p)のピアノと石川隆一(b)のベースが美事に絡みあいながら曲はシンコペイトしていきます。
永武幹子(p)のリズムミックフィギュアに基づくリフの繰り返しから、次第に熱く展開し、テンポは速まりめくるめくフレーズを繰り出し、ピアノをフルに鳴らして息を呑む展開を繰り広げます。
5曲目も永武幹子(p)のオリジナルで12月25日に作曲した作品だそうです。曲名聞き取れず(^^ゞ
石川隆一(b)のアルコが美しいテーマを奏でます。
永武幹子(p)のピアノがリズムを刻み、ドラムが熱いビートを繰り広げます。
永武幹子(p)のピアノがタンゴのような叙情的なテーマをつむぎだし、石川隆一(b)のベースとの鮮やかなインタープレイ!!
レギュラートリオならではの三者の以心伝心のプレイが素晴らしい!!
永武幹子(p)の美しいテーマから展開していくソロは魅力的なフレーズが次から次へと溢れ出てきます。
ピアノとドラムとベースが徐々に高速に展開し、吉良創太(ds)の息を呑むドラムソロ!!



第二セット
1曲目は、本田竹広作曲の セカンドカントリー (アルバム浄土に収録)
石川隆一(b)のベースのゆったりとしたサウンドで曲は開始して、ピアノがテーマをそっと弾き始め、崇高で透徹したソロを奏でます。
吉良創太(ds)のドラムが静かでいながらスケールが大きなサウンド世界を繰り広げます。
永武幹子(p)の美しいピアノが静謐で深く沈潜する世界を繰り広げました。
2曲目 こちらも本田竹広の作品です。
永武幹子(p)のスインギーなピアノで曲は開始し、リズミカルにコロコロ転がる美しいシングルトーンでピアノがめざましく展開していきます!!
石川隆一(b)の軽快なベースソロ!!
吉良創太(ds)のドラムのブラシがまた美しいアクセントを繰り出します!!

ここで永武幹子(p)が4年前から始めたJ.J.Soulというバンドの本質を語ります。
自分がインスパイアされた本田竹広(p)、富樫雅彦(ds)など偉大な日本人ミュージシャンの作品を積極的に取り上げていくということだそうです。
これまで日本人ジャズに正面から向き合おうとしていた私にとって非常に嬉しい言葉です。
ここ10年ほどの間で、ジャズを聴く上で、本場アメリカと日本人とか、男性と女性とかいう区分けが、私の中では自然に消滅していって、いまではそんな意識がなくなっているのに我ながら変わったなと実感しています。
3曲目は ベースの巨人 鈴木良雄(b)作曲の Kisses of The Wind
勿論、石川隆一(b)のベースを大きくフーチュアした演奏です。
石川隆一(b)の美しい音色のベースソロから曲は開始し、ゆったりしたビートで美しい旋律線を紡ぎ出していきます。
永武幹子(p)のピアノがそっと寄りそい、ベースに美しく絡んでいき、両者の美しいコラボが息を呑む展開となります。
南国の風を思わせる石川隆一(b)の柔らかで自在なベースサウンドが美しい旋律を歌い上げていきます。
永武幹子(p)の美しいピアノソロがこれまた息を呑む展開!!
石川隆一(b)のどこまでもどこまでも深い叙情的なソロが広がっていきます!!
これに絡む美しいピアノソロもしっとり歌います。
4曲目は本田竹広(p)の有名な作品 サラーム・サラーム(平和)
永武幹子(p)のピアノがリズミックなテーマを開始して、ピアノは縦横無尽に疾走して強力なドライブでソロを繰り広げていきます。
吉良創太(ds)のドラムが全力で煽る煽る!!
永武幹子(p)のピアノが硬質で透明感溢れる強靱なサウンドで登り詰め、圧巻のスケールのソロ!!
目を見張るような緊張感に満ちあふれた演奏です!!

聴衆の大歓声に応えて、アンコールはスタンダードナンバー IF I WERE A BELL だったかな
永武幹子(p)のピアノが鐘の音のモチーフを繰り返して曲はハードにスイングして開始します。
吉良創太(ds)の目も覚めるよなドラミングに、石川隆一(b)の厚く鋭いビートのベース!!
永武幹子(p)のピアノが美しい音色で目を見張るように、ころころと転がるシングルトーンで絶妙なスインガーぶりを発揮したソロ!!
聴衆みんなを巻き込む熱いアンコールとなりました!!

あっという間の2ステージですが、J.J.Soulと永武幹子(p)、石川隆一(b)、吉良創太(ds)のトリオサウンドの熱い世界と三者の素晴らしい演奏に圧倒されたライブでした。
また、次も必ず聴きたくなりました!!


2019年1月15日火曜日

中牟礼貞則(g).安藤信二(ds).吉野弘志(b)@新子安Cafe daining&Barしぇりる

1月14日は、中牟礼貞則(g).安藤信二(ds).吉野弘志(b)@新子安のCafe daining&Barしぇりるを聴いてきました。


1曲めは、ホーギー・カーマイケルが作曲した Skylark
中牟礼貞則(g)のしっとりとしてシンプルなサウンドのテーマ提示に続いて、安藤信二(ds).吉野弘志(b)が加わり、ゆったりしたテンポで曲想が広がります。
中牟礼貞則(g)の滋味あふれるギターサウンド!


吉野弘志(b)の軽やかに歌うベースソロ!
中牟礼貞則(g)の美しいカデンツァで曲は締めくくられます。
問わず語りで、85歳の中牟礼貞則(g)が自分はビバップの生き残りと言うお話をされました。戦争中、中牟礼貞則(g)の小学校の頃ビバップは全盛期を迎え、中学生になってジャズを聴き始めた頃ビバップは円熟しました。それ以来、ずっと私はビバップに支配されてきたとのこと。
ジャズの演奏パターンはほぼ10年おきに変遷していったが、現在は、ビバップに対する拒否反応は無くなりましたと語ります。
2曲目はチャーリー・パーカーとはひと味違うバップを展開したジョン・ルイスの作曲した、2 Degrees East- 3 Degrees West
パシフィックに録音された名作「グランド・エンカウンター」の中の一曲です。
かっこいいギターの開始で、シングルトーンのテーマ開示から暖かいサウンドのフレーズ展開!!
安藤信二(ds)のドラムが心地良いグルーブを刻みます。
吉野弘志(b)のつややかなサウンドのベースソロ!


中牟礼貞則(g)のギターはめざましくフレーズが展開していきます。
三者のお互いの音を聴き逢い、対話する四小節交換が聴かせます!!
3曲目はマイ・ファニー・ヴァレンタイン
中牟礼貞則(g)のギターが静にバースを開始して美しいテーマを奏でます。
吉野弘志(b)のベースと安藤信二(ds)のドラムがそっと入ってきて曲は広がります。
中牟礼貞則(g)のギターソロが絶妙なフレーズを次々に描き出します。
吉野弘志(b)のアルコのソロが美しくバラードを歌い上げます。
安藤信二(ds)のドラムが要所要所で決めていきます。


4曲目はMy Old Flame
吉野弘志(b)の美しい音色のベースソロから始まり、重く太い音色でテーマを開始し、中牟礼貞則(g)のギターがそれに美しく絡んでいきます。
絶妙なコードワークとシングルトーンの旋律が広がります。
安藤信二(ds)のブラシがしっとり寄りそっていきます。
吉野弘志(b)のベースソロがじっくり歌い上げます。
5曲目はアストル・ピアソラの忘却(oblivion)
中牟礼貞則(g)がテーマを軽く口ずさみ、コードを奏で、美しい叙情的なテーマを開始し、吉野弘志(b)のベースと安藤信二(ds)のドラムがそっと加わり、深く沈潜するような美の世界を広げます。


中牟礼貞則(g)のギターは一層深く曲の世界に没入していきます。
安藤信二(ds)のアンニュイな雰囲気のドラムが美しい。
吉野弘志(b)のベースソロも叙情味深い美しいサウンドです。
2セット目
中牟礼貞則(g)さんは3月3日に86歳を迎えると言うおめでたい話から始まって、
セロニアス・モンクの作品でパノニカ
中牟礼貞則(g)のギターがそっとテーマを提示しますが、意表を突くフレーズ展開を繰り広げていきます。
とてもクールな感じのギターワークが聴かせます。
2曲目はスタンダードで Here's That Rainy Day
中牟礼貞則(g)が安藤信二(ds)に「叩きたいと思ったところから入ってきて」と語り、ギターでバースを奏で始めます。
リズミカルで美しいギターソロに呼応して、安藤信二(ds)のドラムが粋に入ってきて、吉野弘志(b)のベースも絡みます。


中牟礼貞則(g)のめまぐるしい展開を見せる凄絶なギターソロ!!
吉野弘志(b)のリズミックで深い音色のベースソロ!!
安藤信二(ds)のスネアの乾いた音色のサウンドがカッコイイドラムソロ!!
中牟礼貞則(g)の美事なコードワークで曲はカタルシスに!!
3曲目は、チャーリーヘイデンの作曲でジムホールと一緒にやった First Song
中牟礼貞則(g)のギターがワンコーラス美しいテーマをつむぎだします。
吉野弘志(b)のベースと安藤信二(ds)のドラムがそっと入ってきます。
中牟礼貞則(g)のめくるめく展開のギターソロは、予測不能な方向に進み、息を呑む美しいフレーズが現れます。
吉野弘志(b)のベースが深く沈潜し、静謐な美そのもののソロを奏でます。
4曲目は、Sam Rivers作曲の Beatrice
中牟礼貞則(g)がかっこよくテーマを開始して、ソロフレーズがめまぐるしく展開していきます。
安藤信二(ds)のドラムがここで煽る煽る!!


中牟礼貞則(g)の息を呑む緻密なラインの素晴らしさ!!
吉野弘志(b)のベースの唸るソロも圧倒的です。
5曲目は、中牟礼貞則(g)のリクエストで吉野弘志(b)のベースソロ!!
モンゴル民謡から「牧歌」


吉野弘志(b)のアルコが、美しい音色と深い響きでソロを開始し、西洋の平均律ではない独特の旋法の音色で、音世界を美しく構築していきます。
安藤信二(ds)のパーカッションがそっと寄りそって、世界を広げていきます。
リズミカルなボーイングが熱く展開して
聴衆の目前に別の世界を繰り広げました。
6曲目はMichel Petrucciani 作曲の "Morning Blues"
中牟礼貞則(g)がいきなりペトルチアーニ節満開のメロディーを紡ぎ出していきます。
スローテンポで弾き始めて、音の粒子が吹き上がるように広がっていきます。
吉野弘志(b)のベースと安藤信二(ds)のドラムが絶妙に微妙に絡みじっくり歌い上げていきます。
中牟礼貞則(g)の目の覚める展開のソロから圧巻のエンディング!!


あっという間の2ステージでしたけど中牟礼貞則(g).安藤信二(ds).吉野弘志(b)の三者の素晴らしいサウンドと絶妙なコラボを堪能した一日となりました。
新子安のCafe daining&Barしぇりるも初めて伺いましたが、駅から至便で居心地のいい空間で、お食事も美味しいというなんとも良いスポットでした。